私の中で最高のアコギストをあげるとしたら、もう Paco de Lucia しかいないだろう。あくまでもフラメンコという世界にこだわりながら、結果としてその表現力が全ての音楽ジャンルに絶大な訴求力を持ちえてしまった。Al Dimeola を惹き付け、Chick Corea を魅了する。正に「至高のギター」である。インタビューに答えて「ギターを弾くのが苦痛だ」と言っていた彼であるが、彼にとり憑いた表現者としてのデーモン(フラメンコではデュエンデと呼ぶ)はしかし、彼を解放することはないだろう。
Paco のアルバムは常に最新作が最高作だ、と誰かが言っていた。まったく同感である。そういいながらも、'80年に私を Paco に出会わせてくれた「二筋の川」と邦題されたこの作品を推す。1曲目に収められたルンバ形式の「Entre dos Aguas」は、Paco を世界のスターダムに押し上げ、現在でもステージングでのハイライトになっている。このジャケットは'80年頃にフォノグラムからリイシュー(勿論アナログ盤)されていた一連のデザインで、本国スペインのジャケットとは違うが見事なデザインワークである。