Kim Sinh

(キム シン)

Bio

ベトナム , 1930-5-5 〜

Genre

エスニック

Keywords

ガットギター スティール弦ギター フラットピッキング

Profile

Kim Sinh は、8歳からの長きにわたるキャリアと功績に対して勲章も授かっている、ベトナムの伝統音楽の大家だ。生まれつき盲目で、小間使いとして旅回り音楽一座に付き従ったのをきっかけに様々な楽器をマスターした彼は、有名なグループを渡り歩いて腕を磨いていく。彼が活躍した二次大戦後のベトナムは、フランスからの独立戦争や内線で平和な時代ではなかったが、それでも音楽一座が興行する歌劇は民衆の最も大きな楽しみだったという。そう、Kim Sinh は民衆と共に苦楽を音楽に刻み込んできた、ベトナムのブルーズメンなのだ。

Kim Sinh が主に弾く楽器は、中国の月琴をルーツにもつ3コース3弦の撥弦楽器「ダングエット」だが、通常のスパニッシュギターの指盤を抉りとってベトナム・ギターふうの大胆なベンドを可能にした「ベトナミーズ・ギター」も用いている。弦を弾いた後のベンディングで抑揚をつけるプレイは、日本の琴やインドのシタールと共通したテイストで、とてもギターで奏でたサウンドとは思えないユニークかつ堂々とした風格だ。

現在では公式にはリタイアしているものの、後進の育成やイベント出演等でますますご健勝である。

Disk

Music From Vietnam 4

Music From Vietnam 4

このアルバム、'03年にスウェーデンとベトナムの音楽協会がコラボして製作されたベトナム音楽シリーズの4作目だが、実に充実した内容だ。ソロ、または Kim Tănh (孫かなぁ?)とのデュオで自作曲が奏でられるが、その響きはまさに幽玄。10曲中、9曲がインストなのも嬉しい。

1曲目「Liêu Xuan Nuóng」から Kim Sinh のベトナミーズ・ギター・ソロが全開だ。音楽的には中国の意匠が色濃いが、メロディを支えるようにフレーズの要所に低音が挟み込まれるあたり、ベトナミーズ・ギターの弦の多さと音域の広さが生きている。西洋音楽の通奏低音のようであり、また違う。彼独自の奏法だろうか。面白いのは「Cây Trúc Xinh」などで聴かれるようにハワイアンギターも用いられていること。アコースティックな音なのでワイゼンボーンかウッドのドブロギターかな? これも西洋楽器から放たれる東洋の響きが何とも言えず、面白い。彼が宮廷音楽に従事していたら生まれなかったであろう、民衆音楽ならではの異種交配の産物だ。

最近、NHK でとり上げれらた(GONTITI がホストだった)ことから日本でも知られるようになり大手販売店で入手できた訳だが、これだけ芳醇な音楽を今まで知らずにいたのかと思うとなんとも勿体無い話だ。ベトナムと地続きのラオスやカンボジア、タイにもきっと、また違った音楽が息づいているのだろう。もっとアジアに目を向けないとなー。


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