高田 漣

(たかだ れん)

Bio

日本 , 1973 〜

Genre

ロック

Keywords

スティール弦ギター フィンガーピッキング スライド

Profile

若い人は知らないかも知れないが、その昔ニッポンのポピュラーミュージック界がハワイアン音楽で席巻されていた時代があった。ジャズもカントリーも直接アメリカからではなく、ハワイアン音楽というフィルターを通して日本に広がっていったのだよ、とはこの間ウクレレ師匠からビール飲みながら聞いたお話。真偽の程は別として、ハワイアン・イコール・スティールギター、という図式は私の子供心にも刷り込まれている原体験的なものだけど、最近ではそんな音楽もビアガーデンですら聴かれなくなってきている。昔はきっとバッキー白片や灰田有紀彦のような凄腕のスティールギター奏者がゴロゴロしていたのだろうが、そんな流れも途絶えたように見えた昨今...

さて、高田漣である。フォークシンガー高田渡の長男で、10代であった'90年にはデビューしているけど、彼が面白くなってきたのは山内雄喜(日本のスラックキーギタリスト第一人者)からの影響でスティールギターにのめり込んだ頃から。もともと多種多様な弦楽器を操るマルチプレイヤーだったのが、表現の核にスライドを据えることでぐっと安定感と幅が出てきた。早くもスライドギターの代名詞的アイコンになりつつある彼だけど、パラダイスミュージックへの憧憬は強く感じるものの、前段で述べたハワイアン・スティールギターからの影響は特別大きくない。

ハワイアン・スティールギターはのほほんとした印象が強いが、戦前の Roy Smeck の演奏等で判るように肉食人種的というか、強いバイタリティに支えられた音楽だと私は思っている。それに対して高田漣の演奏は、どこか控えめで求道的というか、とにかく農耕民族的なんである。この辺は、父・高田渡がカントリーやブルーグラスを表現スタイルにしていても、アウトプットされる音楽は誰よりも「和」以外の何者でもなかったのに符合すると思うのだが、どうだろう。

Disk

Wonderful World

Wonderful World

'03年、スティールギター・インストゥルメンタルというマイナーなジャンルながら好評だったアルバム「Lullaby」に続く、セカンドアルバム。前作と同様、彼のフェイバリットと思われる名曲の数々のカバーと数曲のオリジナルで構成されている。楽器はスティールギター(エレクトリック)に加えてアコースティックのスライドギターやガットギター等、ギターのオンパレードという感じでとても楽しい。一曲めの「Stanley's Whistle」や続く「Teddy O'Neil」はアコギがソロを取る、アコギファンに嬉しいナンバー。観光音楽的ながら無国籍な佇まいは GONTITI を連想させるし、事実プロデュースは鈴木惣一朗氏(ユニット「RAM」で活動を共にしている)だから、音がすぐ連想できるリスナーも多いだろーね。思索に疲れたインテリが南国に逃避旅行しに来たんだけど、ビーチで寝っ転がってもやっぱり色々考えちゃう... って雰囲気で、楽園っぽいけど何故か冬によく合うアルバムです。


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